大腸がんの治療法|脂っこいものはほどほどに

がん攻撃要員の育成術

免疫力低下させる抗がん剤

医者と看護師

がんの死亡率が高いのは、その異常な増殖力に原因があります。原発部位にとどまっていてくれれば治療も単純なのですが、がん細胞は全身に転移する可能性を持っています。手術でがんを摘出しても、目に見えないがんの芽が体内に残されていればそこから再び増殖を開始するのです。再発・転移が発覚した場合やその予防を目的として、病院では抗がん剤による全身治療が広く行われています。この薬剤は増殖速度の速い細胞に作用するためがん細胞には有効ですが、正常細胞の中にも増速速度が速い種類があります。そのためさまざまな副作用が起きてしまうのです。抗がん剤の問題点は副作用だけではありません。がん細胞や増殖速度の速い正常細胞の他に、免疫細胞をも弱めてしまうのです。人間の体にはもともと免疫力が備わっており、小さながん細胞であれば自分の力で退治することができます。患者さんが本来持っていたこの免疫力を人工的に増強させる方法があります。それが免疫治療と呼ばれる治療法です。全身治療に向いた免疫治療は、抗がん剤を超える可能性を秘めています。すでに先端医療を取り入れている医療機関で実施されており、今後は臨床実績も増えるものと期待されます。

強いリンパ球を育てる方法

多くの種類がある免疫治療の中でも広く普及しているのが、活性化自己リンパ球療法と呼ばれる方法です。この方法の原点は1980年代にアメリカで開発されたLAK療法にあります。LAK療法では患者さんの血液から大量に摂取されたリンパ球を、インターロイキン2というたんぱく質で活性化させます。その上で患者さんの体内に戻されるのですが、大量のインターロイキン2注射には副作用の問題もありました。この点を改良したのが日本の活性化自己リンパ球療法です。この免疫治療では患者さんの血液50mlからT細胞を摂取し、2週間ほどかけて1000倍に増やします。その過程でT細胞を活性化させ、がん細胞と戦う力を与えるのです。つまり活性化自己リンパ球療法とは、強いリンパ球兵士を育てるための方法と言うことができます。育成されたこの攻撃要員たちは点滴によって患者さんの体内に戻され、全身をめぐってがん細胞と戦います。患者さん自身の免疫力を強化してがん細胞を退治するため、抗がん剤のような重い副作用がありません。数ある免疫治療の中でも治療効果が特に高いことから、活性化自己リンパ球療法は最も多くの医療機関に採用されています。